臨時農業生産情報(大雨と雷及びひょうに対する技術対策)

青森地方気象台発表(2025年6月25日16時15分)「大雨と雷及びひょうに関する青森県気象情報 第1号」によると、青森県では、前線や暖かく湿った空気の影響により、26日昼過ぎから夜のはじめ頃にかけて、大雨となる所がある見込みです。また、落雷や突風、ひょうに注意してください。
今後の気象情報に十分注意し、次の点に留意して、被害の未然防止と軽減に努めてください。
なお、ほ場の見回り等については、危険な場所には近づかず、安全を十分確保して慎重に行ってください。

1 共通の対策
(1)地盤が緩み崩壊の恐れがある農地・林地及び農道・林道並びに増水中の河川などには絶対に近寄らないようにする。なお、異常を発見した場合は、速やかに市町村等へ連絡する。
(2)浸水や冠水したほ場・園地では、明きょやポンプにより速やかに排水する。

2水稲
(1)5~6cm程度の適水位を維持しながら排水できるよう、ほ場の排水口で調節するとともに、排水路の点検・整備を徹底する。
(2)土砂が流入した場合は、速やかに取り除く。
(3)畦畔や用排水路が破損した場合は、速やかに補修する。

3 りんご・特産果樹
【りんご】
(1)仕上げ摘果を終えた園地では、降ひょうがあり、健全果が少ない場合は、樹勢調節のため被害果であっても残し、できるだけ着果基準を守る。
(2)仕上げ摘果を終えておらず、健全果が十分にある場合は、傷の有無を確認し、2mm以上の大きい傷のあるものは摘果を行う。
(3)被害園ではその後の管理を怠ると、来年の生産に影響するので、薬剤散布などの栽培管理は通常どおり行う。
【ぶどう】
(1)降ひょうで折れた新梢は切除し、副梢の発生を促し葉数の確保に努める。
(2)被害新梢から伸長した副梢は、基部から4~5枚目で摘心し、結実確保と枝の充実に努める。
(3)樹勢調節のため、被害を受けた花穂・果房でもできるだけ残し、病害虫防除を徹底する。結実が見込めない場合は摘除する。
(4)果房摘除等により樹勢が強くなる場合は、施肥を控えるとともに摘心により枝の充実を図る。
【その他特産果樹】
降ひょうがあった場合は、着果負担や病害虫の発生を抑えるため、被害を受けた果実はできるだけ摘果する。ただし、摘果しすぎないように注意する。

4 野菜・花き・畑作
(1)ほ場や施設周辺に排水溝を設けるなどの排水対策を行う。
(2)ほ場やビニールハウスを点検し、被覆資材やパイプ等の損傷がある場合は速やかに修復する。
(3)ながいも等のほ場で、「穴落ち」した場合は、速やかに修復する。
(4)露地で種子が流出したほ場は、再度は種を行う。
(5)降ひょう・浸水・冠水などにより損傷を受けた場合は、病気が発生しやすくなるので、まん延しないよう、薬剤散布する。
(6)果菜類で浸水した場合は、草勢の低下を防ぐため、摘果や早採りで着果負担を軽減する。また、冠水した場合には、動力噴霧機で散水し、作物等の泥を洗い流す。さらに、マルチを除去して、株元を乾かし、根の回復を図るとともに、冠水した果実を早急に取り除く。
(7)倒伏や穂発芽した小麦は、仕分刈りを行い、未熟粒や被害粒が混入しないようにする。

5 畜産
(1)低地や排水の悪い飼料畑は、排水溝を設けるなどの排水対策を行う。
(2)畜舎に雨水が流入した場合に備え、除ふん作業を済ませ、紙袋の飼料などは浸水しない場所に移動しておく。
(3)畜舎が浸水した場合は、家畜伝染病の発生を予防するため、消毒を徹底する。
(4)冠水等の被害を受けた飼料は、品質を見極め、十分注意して給与する。
(5)ロールベールサイレージのストレッチフィルムが破損した場合は、破損部分を速やかに補修するとともに、できるだけ早く家畜に給与する。

6 農地・農林業用施設
(1)ため池は、貯水位が高い場合には放流して水位を十分に低下させておくとともに、洪水吐、水門等を点検し、通水の阻害となる土砂、ゴミや流木等を除去する。
(2)水路は、水門が適正に閉じている、あるいは開いていることを確認し、通水の阻害となる土砂、ゴミや流木等を除去する。
(3)農地・林地・農林業用施設が被災した場合は、速やかに被災状況を市町村へ報告する。
(4)被災した農地・林地及び農林業用施設は、身の安全を確保した上で、シートで被災箇所を覆うなど、被害が拡大しないよう努める。

250625 臨時農業生産情報(大雨と雷及びひょうに対する技術対策)

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