畑作・野菜・花き生産情報第5号

畑作・野菜・花き生産情報第5号(要約版)
                              令和3 年8 月2 0 日
                        青森県「攻めの農林水産業」推進本部

 

◎共通事項:台風や大雨に備え、ほ場や施設周辺にある排水溝の点検や整備のほか、施設
への雨水流入を防ぐために土のうを設置するなどの排水対策を徹底しよう!
◎大豆は紫斑病やマメシンクイガの防除を徹底しよう!
◎ながいも等の野菜の生育は順調です。品目に応じて病害虫防除を徹底しよう!
◎秋ギクの生育は概ね順調です。収穫まで適正な温度管理を徹底しよう!

 

1 大豆
(1)生育は順調であるが、一部、なびき倒伏や立枯性病害が発生しているほ場が見られる。
(2)紫斑病やマメシンクイガの適期防除を徹底する。
(3)台風や大雨に備え、明きょを手直しして排水溝へ接続するなどの対策を徹底する。

 

2 小麦(は種の準備)
(1)適期(9月15~25日)には種できるようほ場を準備する。
(2)ほ場の団地化を図り、明きょや弾丸暗きょなどで十分な排水対策を行う。
(3)土壌分析を行い、酸度矯正が必要な場合は、苦土石灰等により土壌改良を行う。
(4)紅色雪腐病の被害を予防するため、種子消毒を行う。

 

3 ながいも
(1)地上部、地下部いずれも平年を上回っており、生育は順調であるものの、8月9日
  からの大雨の影響で、一部穴落ちが見られている。
(2)葉渋病、炭疽病の防除を徹底するとともに、ナガイモコガ、アブラムシ類などの害
  虫の早期発見・早期防除に努める。
(3)台風や大雨に備え、ネットや支柱を補強し、明きょを手直しして排水溝へ接続す
  るなどの対策を徹底する。また、植溝が陥没したときは速やかに埋め戻す。

 

4 にんにく(植付の準備)
(1)病害虫が発生していないほ場を選ぶ。
(2)外部からの土壌病害虫の持ち込みを防ぐため、作業は種苗増殖ほ場から行う。
(3)堆きゅう肥及び土壌改良資材の施用量は土壌診断結果に基づいて決め、必要以上に
  投入しない。
(4)種球の保管中に20℃以下に長時間遭遇すると萌芽・発根が早まるため、室温を概ね
  20℃以下にならないように管理する。
(5)病害虫に汚染されていない種球を確保し、種球の分割・調製はできるだけ植付け直
  前に行い、種子消毒を徹底する。

 

5 夏だいこん
(1)葉長及び葉数は平年並で、根重は平年を大幅に上回っており、生育は順調である。
(2)軟腐病、キスジノミハムシの防除を徹底するとともに、コナガ、アオムシ等の害虫
  の早期発見・早期防除に努める。

 

6 秋にんじん
(1)地上部、地下部とも平年を上回っており、生育は順調である。
(2)黒葉枯病やヨトウムシなどの早期発見・早期防除に努める。

 

7 ごぼう
(1)草丈は平年をやや下回っているが、葉数は平年を上回っており、生育は進んでおり、概
  ね順調である。
(2)黒斑細菌病、黒条病、アブラムシ類等の発生に注意し、防除を徹底する。

 

8 夏秋トマト
(1)津軽地域の4月下旬定植では、11段花房の開花期が平年より3日早く、県南地域の
  5月中旬定植では、9段花房の開花期が平年より2日早く、生育は進んでおり、概ね
  順調である。
(2)肩換気などにより適正な温度管理に努める。また、生育に合わせたかん水、肥培管
  理により草勢の維持に努める。
(3)9月以降は裂果の発生が多くなるので、土壌水分が極端に変化しないように水管理
  を徹底する。
(4)灰色かび病、葉かび病、アザミウマ類の防除を徹底するとともに、タバコガ類、コ
  ナジラミ類の早期発見・早期防除に努める。

 

9 ねぎ
(1)草丈、茎径とも平年を大幅に上回っており、生育は順調である。
(2)最終培土は、収穫の30日前頃に行い、葉の分岐部まで丁寧に土を寄せ、軟白長
  30㎝以上を確保する。
(3)べと病、軟腐病、さび病、黒斑病、アザミウマ類など病害虫の防除を徹底する。

 

10 夏秋ギク
(1)白さび病の予防防除を行うとともに、アザミウマ類、ヤガ類等の発生に注意し、早
  期発見・早期防除に努める。
(2)収穫後の株を翌年の親株にする場合は、形質が優良な、健全な株を残し、刈り込み、
  直ちに追肥し、土寄せする。

 

11 秋ギク
(1)生育は概ね順調で、病害虫はハダニ類とアブラムシ類が散見される。
(2)わき芽は、小さいうちにかき取り、花首の伸びやすい品種を栽培している場合は、
  ビーナイン顆粒水溶剤等を散布する。
(3)奇形花の発生を防ぐため、高温時には換気を十分に行い、必要に応じて循環扇や寒
  冷紗等を活用し、施設内温度を少しでも低く管理する。
(4)白さび病、ヤガ類、アザミウマ類等の発生に注意し、早期発見・早期防除に努める。

 

12 トルコギキョウ
(1)発らい後はしおれない程度にかん水を減らし軟弱徒長を防ぐ。
(2)ハウス内が高温・過湿にならないように適正な温湿度管理に努める。
(3)涼しい時間帯に収穫し、速やかに鮮度保持剤による前処理を行う。

 

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◎ほ場を見回るなど農作物の盗難防止に努めましょう。

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◎農作業中は熱中症に気をつけましょう。
1 日中の暑い時間帯は作業を避けるとともに休憩をこまめに取る!
2 通気性の良い作業着や帽子を着用し、汗で失われる水分や塩分を十分に補給する!

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◎秋の農作業安全運動展開中!(8月15日~10月31日)
1 慣れた作業でも油断せず、しっかり安全を確認しましょう。
2 必ず、作業の合間に十分な休憩を取りましょう。
3 自分は「大丈夫」と過信せず、無理のない作業を行いましょう。
4 一人での作業は避け、やむを得ず一人で作業を行う場合は、家族に作業場所と内
 容を伝え、携帯電話を持ちましょう。
5 家族や周りの人など、地域全体で注意を呼び掛けましょう。

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◎『日本一健康な土づくり運動』展開中! ~元気な作物は健康な土が育みます~
 土壌診断に基づいた適正施肥や土壌改良は、施肥コストの低減にもつながります!
 緑肥を活用し、作物の生育に好適な土壌環境づくりを心がけましょう!
 効率よく堆肥を使い、堆肥の肥料成分を考慮した化学肥料の低減に努めましょう!

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◎令和3年度青森県農薬危害防止運動展開中(5月1日~8月31日)
 農薬を使用する前には必ず最新の農薬登録内容を確認し、使用基準を守って使用しま
しょう。また、散布の際は周囲に飛散させないよう細心の注意を払いましょう。
 クロルピクリン剤など土壌くん蒸剤を使用する際は、住宅、畜舎等に近接する農地で
の使用は避け、薬剤の施用後は速やかにシート(厚さ0.03mm以上または難透過性の資材)
で被覆しましょう。
 市販されている除草剤のうち、「非農耕地専用除草剤」は、農作物等の栽培管理に使
用できないので、注意しましょう。
 農林水産省【農薬登録情報提供システム】
  https://pesticide.maff.go.jp/
 (独)農林水産消費安全技術センター【農薬登録情報・速報】
  https://www.acis.famic.go.jp/index_kensaku.htm

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◎食中毒を防ぐため、生産段階から「野菜の衛生管理」に努めましょう。
1 栽培に使用する水の衛生管理や水質の確保に努めましょう。
2 家畜ふん堆肥は、水分調整や定期的な切り返しを行い、十分発酵させましょう。
 家畜ふん中の菌の死滅には、55℃以上の温度が3日以上続いている状態が必要です。
3 家畜ふん堆肥を野菜栽培に使用する際は、製造工程や熟成度を確認しましょう。確
 認できない場合には、堆肥施用から収穫までの期間を、収穫部位が土壌から離れた野
 菜は2か月、土壌に近い野菜は4か月以上空けましょう。
4 農機具や収穫容器等は清潔な状態を保ち、汚水の流入や野生動物の侵入防止等、栽

 培環境の整備にも努めましょう。
※ 野菜の衛生管理の詳細はこちら
 →https://www.pref.aomori.lg.jp/soshiki/nourin/sanzen/yasai_eiseikanri.html

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◎農業保険に加入し、農業経営に万全の備えを!!
 農業保険には、農作物共済、園芸施設共済、農業経営収入保険などがあります。自分
の経営にあった保険を選択、加入して、自然災害をはじめとしたリスクに備えましょう。

 ◎農業経営収入保険
  「農業経営収入保険」は、災害による減収に加え、市場価格の低下など農業者の経
 営努力では回避できない理由により販売収入が減少した場合も補償の対象になる総合
 的なセーフティネットです。(青色申告の実施が要件)

 

<野菜のみ>
  令和3年から、「農業経営収入保険」に加入した1年目に限り、「野菜価格安定
 制度」との同時加入が認められました。現在、価格安定制度に加入しており、収
 入保険に興味のある方は、ぜひ御検討ください。

 

 また、収入保険の加入申し込みは随時受け付けていますが、今年から、農林水産省
の共通申請サービスを利用することにより、自宅のパソコンなどからオンラインで申
請できるようになりました。事務費の割引もありますので、これを機に加入をご検討
ください。

※ 詳しくは、お近くの農業共済組合までお問い合わせください。

 

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