臨時農業生産情報(大雨に対する技術対策)

         臨時農業生産情報(大雨に対する技術対策)

 

                            令和3年8月24日
                    青森県「攻めの農林水産業」推進本部

 

 青森地方気象台発表(2021年8月24日11時36分)「大雨に関する青森県
気象情報第2号」によると、青森県では、前線の影響により、25日は大雨となる
所がある見込みです。今後の気象情報に十分注意し、次の点に留意して、被害の未然
防止と軽減に努めてください。
 なお、ほ場の見回り等については、危険な場所には近づかず、安全を十分確保して
慎重に行ってください。

 

1 共通の対策
(1)地盤が緩み崩壊の恐れがある農地・林地及び農道・林道、増水中の河川などに
  は、絶対に近寄らないようにし、異常を発見した場合は、速やかに市町村等へ連
  絡する。
(2)浸水や冠水したほ場・園地では、明きょやポンプにより速やかに排水する。

 

2 りんご等果樹
(1)低地や排水不良の園地では、排水溝を設けるなどの排水対策を行う。
(2)園地に水が溜まった場合は、排水に努める。
(3)土砂が流入した場合は、速やかに取り除く。
(4)樹冠が水に浸かった場合は、果実や葉に付着したゴミを速やかに取り除き、泥
  を清水で洗い落とす。なお、有袋果は速やかに除袋し、これらの管理を行う。
(5)傷ついたり腐敗した果実は、速やかに取り除く。

 

3 水稲
(1)浸水・冠水被害防止のため、排水路の清掃や補修、畦畔の補強を行う。
(2)土砂や流木等が流入した場合は、速やかに取り除く。
(3)畦畔や用排水路が破損した場合は、速やかに補修する。
(4)倒伏した場合は、できるだけ早く株起こしを行う。
(5)冠水したほ場では、水が引いた後、できるだけ動力噴霧機等で散水し、稲に付
  着した泥を洗い流す。
(6)浸水や冠水したほ場の品質低下が懸念される場合は、被害を受けなかったほ場
  と区分して収穫する。

 

4 野菜・花き・畑作
(1)ほ場や施設周辺にある排水溝の点検や整備などの排水対策を行うほか、施設へ
  の雨水流入を防ぐために土のうを設置する。
(2)果菜類で冠水した場合は、動力噴霧機で散水した後、マルチを除去して、株元
  を乾かし、根の回復を図るとともに、冠水した果実は早急に取り除く。また、浸
  水した場合は、草勢の低下を防ぐため、摘果や早採りで着果負担を軽減する。
(3)ながいも等のほ場で、穴落ちしている場合は、速やかに修復する。
(4)露地野菜において種子が流出したほ場は、再度は種を行う。
(5)浸水・冠水等により損傷を受けた場合は、病気が蔓延しないよう、薬剤を散布
  する。

 

5 畜産
(1)飼料畑の対策
  ア 低地や排水の悪い飼料畑は、排水溝を設けるなどの排水対策を行う。
  イ 降雨後、飼料畑に停滞している水は、速やかに排水する。
(2)畜舎等の対策
  ア 畜舎に雨水が流入した場合に備え、除ふん作業を済ませ、紙袋の飼料などは
   浸水しない場所に移動しておく。
  イ 畜舎が冠水した場合は、家畜伝染病の発生を予防するため、消毒を徹底する。
  ウ 冠水等の被害を受けた飼料は、品質を見極め、十分注意して給与する。

 

6 農地・林地・農林業用施設
(1)ため池は、貯水位が高い場合には放流して水位を十分に低下させておくととも
  に、洪水吐、水門等を点検し、通水の阻害となる土砂、ゴミや流木等の除去に努
  める。
(2)水路は、水門が適正に閉じている、あるいは開いていることを確認し、通水の
  阻害となる土砂、ゴミや流木等の除去に努める。
(3)農地・林地・農林業用施設が被災した場合は、速やかに被災状況を市町村へ報
  告する。
(4)被災した農地・林地及び農林業用施設は、身の安全を確保した上で、シートで
  被災箇所を覆うなど、被害が拡大しないよう努める。

210824 臨時農業生産情報(大雨に対する技術対策)

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