トルコギキョウ斑点病の発生について
1 作物名 トルコギキョウ
2 病害虫名 トルコギキョウ斑点病
Pseudocercospora nepheroides(=p.eustomatis)
3 発生経過
(1)令和4年9月に津軽地域のトルコギキョウ(ハウス栽培)において、下位葉に黒灰色~
黒色のすす状病斑が認められた(写真1)。
(2)青森県病害虫防除所で罹病葉を検鏡したところ、分生胞子(写真2)の形態的特徴から
Pseudocercospora nepheroides による「トルコギキョウ斑点病」であることを確認した。
(3)本病は平成20年に福岡県で確認されて以降、これまでに24県で確認され、全国に拡大して
いる。東北地方では平成30年に福島県と宮城県で、令和2年に山形県で特殊報が発表されて
いる。
4 本病の特徴
(1)発生初期は下位葉に5~10mm程度の退緑斑紋(写真3)として現れる。この退緑斑紋上
に小黒点(分生子座)が多数形成され、黒灰色~黒色のすす状病斑(写真4)となる。病斑
は下位葉を中心に葉の表と裏に現れ、まん延すると上位葉へ進展、やがて葉が枯死する。
(2)分生子柄は角皮下に発達した子座上に束生する。分生胞子は11.2~56.5×3.4~5.6㎛の大
きさで、1~7の隔壁を有し、分生胞子の離脱痕は肥厚せず、小葉牙上にやや突出した形と
なる。
(3)盛夏を除き、ほぼ年間を通じて発生する。特に春から秋の多湿条件下で多発する。生態や
生活環についての詳細は不明であり、育苗中および本ぽで発生し、分生胞子が感染源になる
と考えられている。
現在確認されている宿主植物は、トルコギキョウのみである。
5 防除対策
(1)多湿条件下で発生が助長されるため、施設内の通風・換気に努める。
(2)被害葉は見つけ次第速やかに除去し、収穫後の残さはほ場外に持ち出して、適切に処分す
る。
(3)病斑が上位葉まで進展すると商品としての品質が落ち、経済的損失が大きくなるので、早
期発見に努め、発生初期から防除を徹底する。
(4)薬剤防除に当たっては、「斑点病」に適用のある薬剤(表1)を使用する。耐性菌発生を
防ぐため、同一系統薬剤(FRACコードが同じ剤)の連用を避ける。
詳細は添付ファイルを御覧ください。