臨時農業生産情報(高温に対する技術対策)

仙台管区気象台発表(令和6年7月18日14時30分)「1か月予報」によると、東
北地方では、向こう1か月の気温は平年より高く、特に期間の前半は気温がかなり高くな
る可能性があります。
今後の気象情報に注意し、次の事項に留意して農作物の適正な管理に努めてください。
また、農作業中の熱中症に十分注意してください。

1 水 稲
(1)出穂・開花期は、稲が最も水を必要とする時期になるので、開花・受精に支障がな
いよう5~6㎝の水深を保つ。
(2)出穂後に高温になると、胴割粒や白未熟粒が発生しやすくなるので、開花が終了し
た水田では、水の入れ換えや掛け流し、飽水管理により稲体の温度を下げ、根の活性
を維持する。
(3)斑点米カメムシ類の発生が「多い」と予想されているので、畦畔の草刈は出穂7日
前までに終えるとともに適期防除を徹底する。
(4)品質低下を助長するので、早期落水を避ける。

2 野菜・花き・畑作
(1)施設栽培では、換気や遮光資材などによる温度管理を徹底する。
(2)野菜・花き類は、生育に応じたかん水や葉面散布等を行い、草勢を維持する。
また、収穫は涼しい時間帯に行い、収穫物は直射日光が当たらないようにするなど
鮮度保持に努める。
(3)高温が続くと、ハダニ類、アザミウマ類等や炭そ病、軟腐病等の発生が多くなるの
で、早期発見と早期防除に努める。
(4)転作大豆では、ほ場が乾燥している場合は、うね間かん水を行う。

3 りんご・特産果樹
(1)日焼けの発生防止に向け、早い時期からの強い葉摘みは避けるほか、高温時の徒長
枝整理、支柱入れ、枝つりなどは控える。
(2)苗木や若木、わい性台木は乾燥の影響を受けやすいので、園地の状況を確認し、乾
燥している場合は1m2当たり20リットル程度かん水する。
(3)草からの蒸散を防ぐため、草刈りをこまめに行い、樹冠下に敷き草をする。
(4)ジョナゴールド等の中生種に落果が見られた場合は、落果防止剤を散布する。
(5)ハウスぶどうは、換気などによる温度管理を徹底する。
(6)収穫は、果実温が高い日中を避けて行い、収穫した果実は速やかに冷蔵庫に入れる
か、日陰に置くなど鮮度保持に努める。

4 畜産
(1)畜舎の暑熱対策
ア 窓を開放したり換気扇や送風機を利用して、舎内の風通しをよくする。
イ 日除けの設置や屋根への散水等により舎内温度を下げる。
(2)家畜の飼養管理
ア 飼料給与は朝、夕の涼しい時間帯に行うなどして乾物摂取量を高める。
イ 新鮮な水を常に飲めるよう飲水環境を整える。
ウ 乳用牛では特に、乳量や乳成分の低下を防ぐため、良質の一番草を給与するよう
にし、ビタミンやミネラルの補給に努める。
エ 種雄豚の交配は涼しい時を選び、供用は週2回程度とする。
オ 鶏については、夜間に給餌する方法も有効である。
(3)放牧牛の管理
ア 放牧は、木陰のある牧区を使い、ミネラルの補給を欠かさないようにするととも
に、新鮮な水が常に飲めるようにする。
イ 放牧牛の行動をよく観察し、異常牛の早期発見・早期治療に努める。
(4)牧草刈取り時の注意事項
ア 株枯れの防止と刈取後の再生を促すため、刈取高さは 10cm 以上とする。

5 農作業(熱中症の予防)
(1)事前に天気予報を確認し、日中の気温の高い時間帯を外して作業を行う。
(2)作業前・作業中は水分・塩分補給や休憩をこまめに取る。
(3)屋外では帽子や通気性の良い作業着・空調服等を着用し、屋内では送風機などを活
用する。
(4)なるべく2人以上で作業し、時間を決めて声かけを行い、異常がないか確認しあう
ようにする。

240719 臨時農業生産情報(高温に対する技術対策)

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