臨時農業生産情報(大雨と雷および突風に対する技術対策)について

 青森地方気象台発表(2023年9月1日5時13分)「大雨と雷及び突風に関する青森県気象情報 第1号」によると、青森県では前線や暖かく湿った空気の影響により、大気の状態が不安定となり、1日夜遅くから2日昼前にかけて大雨となる所がある見込みです。また、2日にかけて、竜巻などの激しい突風や落雷、ひょうに注意してください。
 今後の気象情報に十分注意し、次の点に留意して、被害の未然防止と軽減に努めてください。
 なお、ほ場の見回り等については、危険な場所には近づかず、安全を十分確保して慎重に行ってください。

【事前対策】
1 共通の対策
(1)ほ場の見回り等については、危険な場所には近づかないでください。
(2)地盤が緩み崩壊の恐れがある農地・林地及び農道・林道並びに増水中の河川などには絶対に近寄らないようにしてください。なお、異常を発見した場合は、速やかに市町村等へ連絡してください。

2 水 稲
 排水口を調節するとともに、排水路の点検・整備を徹底する。

3 りんご・特産果樹
(1)低地や排水不良の園地では、排水溝を設けるなどの排水対策を行う。
(2)収穫適期に達した果実は、速やかに収穫する。降雨時に収穫する場合は、泥が付着しないように注意する。
(3)防風ネットを張り、破れている部分は補修する。
(4)りんごのわい化樹や幼木は倒伏しやすいので、支柱のぐらつきや主幹との結束状況を点検し、補強する。
(5)ぶどうの垣根、なし棚、ハウス施設等は点検し、支柱等で補強する。

4 野菜・花き・畑作
(1)ほ場や施設周辺にある排水溝の点検や整備などの排水対策を行うほか、施設への雨水流入を防ぐために土のうを設置する。
(2)ビニールハウスでは、倒壊したり被覆資材が飛散しないように点検、補修を行うとともに、マイカ線や支柱などで補強する。
(3)ながいも等の支柱は、倒れないように補強する。
(4)マルチ資材は、飛散しないように土でしっかり固定する。

5 畜 産
(1)低地や排水の悪い飼料畑は、排水溝を設けるなどの排水対策を行う。
(2)畜舎に雨水が流入した場合に備え、除ふん作業を済ませ、紙袋の飼料などは浸水しない場所に移動しておく。
(3)ロールベールサイレージは、ストレッチフィルムの破損を防ぐため、ブルーシート等で覆う。
(4)畜舎等は、破損を防ぐため、支柱等で補強するとともに、シャッターや窓などを完全に閉める。

6 農地・農林業用施設
(1)ため池は、貯水位が高い場合には放流して水位を十分に低下させておくとともに、洪水吐、水門等を点検し、通水の阻害となる土砂、ゴミや流木等を除去する。
(2)水路は、水門が適正に閉じている、あるいは開いていることを確認し、通水の阻害となる土砂、ゴミや流木等を除去する。

【事後対策】
1 共通の対策
(1)地盤が緩み崩壊の恐れがある農地・林地及び農道・林道並びに増水中の河川などには、絶対に近寄らないようにし、異常を発見した場合は、速やかに市町村等へ連絡する。
(2)浸水や冠水したほ場・園地では、明きょやポンプにより速やかに排水する。
(3)大雨の影響で土壌がぬかるんだ状態になっている場合は、転倒や車両の横滑りなどが発生しやすいので、農作業事故防止に努める。

2 水 稲
(1)土砂が流入した場合は、速やかに取り除く。
(2)畦畔や用排水路が破損した場合は、速やかに補修する。
(3)倒伏した場合は、できるだけ早く株起こしを行う。
(4)倒伏等により品質低下が懸念されるほ場では、被害を受けなかったほ場と区別して収穫する。

3 りんご・特産果樹
(1)園地に水が溜まった場合は、速やかに排水する。
(2)園地が冠水した場合は、できるだけ早く、果実や葉に付着したゴミを取り除き、泥を清水で洗い落とす。また、有袋果は除袋してから、これらの管理を行う。
(3)果実を加工用に仕向ける場合は、農薬使用基準上の問題がないことを確認する。

4 野菜・花き・畑作
(1)ながいもで植溝が陥没したときには速やかに埋め戻す。
(2)ほ場やビニールハウスを点検し、被覆資材やパイプ等の損傷がある場合は速やかに修復する。
(3)果菜類で浸水・冠水した場合には、泥を清水で洗い流し、マルチの裾を上げて、株元を乾かし、浸水した果実は早急に取り除く。
(4)突風や浸水・冠水等により損傷を受けた場合は、病気が蔓延しないよう、薬剤を散布する。
(5)大豆のほ場では、排水後、明きょの補修を行う。

5 畜 産
(1)飼料畑に停滞している水は、速やかに排水する。
(2)畜舎が浸水した場合は、家畜伝染病の発生を予防するため、消毒を徹底する。
(3)浸水等の被害を受けた飼料は、品質を見極め、十分注意して給与する。

6 農地・農林業用施設
(1)農地・林地・農林業用施設が被災した場合は、速やかに被災状況を市町村へ報告する。
(2)被災した農地・林地及び農林業用施設は、身の安全を確保した上で、シートで被災箇所を覆うなど、被害が拡大しないよう努める。

【農業共済、収入保険、経営所得安定対策等】
農業共済や収入保険、経営所得安定対策等の加入作物等が被災した場合は、被災状況や対策及び改善措置を施したことが分かるほ場の写真や書類(作業日誌、種子・肥料等の購入伝票等)の整備が必要な場合がありますので、速やかに農業共済組合や地域農業再生協議会、市町村等へ報告し、指示があるまですき込みなどを行わないようにしてください。

230901 臨時農業生産情報(大雨と雷および突風に対する技術対策)

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