令和5年稲作生産情報 第6号(7月21日発行)

・生育は平年より早まっており、低温に弱い「穂ばらみ期」を迎えています!

・気温に応じた水管理をしっかり行おう!

・いもち病や斑点米カメムシ類の防除を徹底しよう!

生育状況

7月14日現在の生育は、草丈は平年と比較してかなり長く、㎡当たり茎数は「つがるロマン」はかなり多く、「まっしぐら」はかなり少なくなっている。

幼穂形成期は、平年と比較して、「つがるロマン」が7月10日で3日早く、「まっしぐら」が7月6日で4日早くなっている。

品種名 地域 地点数 草丈(cm) ㎡当たり茎数(本) 幼穂形成期(月/日)
本年 平年 平年比 本年 平年 平年比 本年 平年 平年差
つがるロマン 津軽 4 69.5 60.1 116 465 471 99 7/10 7/14 4日早
県南 1 67.8 61.2 111 753 493 153 7/11 7/12 1日早
全県 5 69.2 60.3 115 523 475 110 7/10 7/13 3日早
まっしぐら 津軽 6 79.2 67.6 117 432 491 88 7/5 7/9 4日早
県南 5 71.7 64.4 111 417 463 90 7/7 7/12 5日早
全県 11 75.8 66.2 115 425 478 89 7/6 7/10 4日早
ほっかりん 下北 1 62.0 56.6 110 507 459 110 7/11 7/13 2日早

7月17日以降の気温が平年並に推移した場合、出穂期は「まっしぐら」が7月26日頃から、「つがるロマン」が7月28日頃からと予想される。

水管理

1 穂ばらみ期

日平均気温20℃以下、または最低気温17℃以下になると予想される場合は、15~20㎝程度の深水管理を徹底する。

入水の際は、水田水温が急激に低下しないよう徐々に深水とする。

高温が続く場合は、根の老化を防止するため、4㎝程度の浅水管理とし、時々水の入換えを行う。

2 出穂・開花期

出穂後10日間は5~6㎝程度の水深とし、開花・受精に支障がないようにする。

日平均気温20℃以下の低温が続く場合は、10㎝程度の深水にして保温する。

高温の場合は、根の老化を防止するため、時々水の入換えや掛流しを行う。

3 登熟期

低温(最低気温15℃以下)が予想される場合は、10㎝程度の深水にする。

高温の場合は、2~3㎝程度の浅水とし、なるべく遅くまで水を与える。

湿田や秋落田では、根の老化を防止するため、掛流しや土壌に軽く亀裂が入る程度の間断かんがいを行う。

4 落水時期

湿田では出穂後20~25日、乾田では出穂後30~35日を目安に落水する。

病害虫防除

1 いもち病

曇雨天が続くと発生が多くなるので、葉いもちの早期発見・早期防除に努め、穂いもちの予防防除を行う。

2 斑点米カメムシ類

アカヒゲホソミドリカスミカメ、アカスジカスミカメともに、気温が高いと発生量が多くなるため、適期防除を徹底する。

出穂間近の畦畔などの草刈りは斑点米カメムシ類を水田に追い込むので行わない。

やむを得ず、出穂後に畦畔などの草刈りを行う場合は、水田に散布する殺虫剤の特性に合わせて行う。

本年は7月中旬時点での発生量が多くなっているため、特に防除を徹底する。(7月21日に斑点米カメムシ類に係る注意報が発表されました。詳細はこちら

3 薬剤散布上の注意

特別栽培米やクリーンライスなどは、それぞれ定めた農薬の使用計画を確認し、その範囲内で使用する。

散布の際は、近隣の大豆、野菜、ホールクロップサイレージ(WCS)用イネなどの農作物に飛散しないよう十分注意する。

農薬を使用した水田では、防除効果の安定と水質汚染防止のため、散布後7日間は落水や掛流しは行わない。

4 農薬による蜜蜂への危害防止

薬剤散布前に周辺の養蜂業者に防除計画を知らせるなど、積極的に情報交換を行う。

蜜蜂を放飼している地域周辺(蜜蜂の行動範囲は巣箱から2km程度とされている)では、農薬ラベルに蜜蜂に対しての毒性を示す「ハチ巣箱への散布禁止マーク」のついた農薬の使用を避ける。

 

詳細は稲作生産情報(本文要約版)をご覧ください。

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