気象庁発表(2023年8月14日5時51分)「令和5年台風第7号に関する情報第82号」によると、台風第7号が15日に東日本や西日本にかなり接近し、台風の進路によっては、暴風や大雨となるおそれがあります。
今後の気象情報に十分注意し、次の点に留意して、被害の未然防止と軽減に努めてください。
【事前対策】
1 水 稲
(1)浸水・冠水被害防止のため、排水路の清掃や修理、畦畔の補強を行う。
(2)乾風による葉先枯れ、籾の白化や褐変を防ぐため、6cm前後の深水とする。
2 りんご・特産果樹
(1)防風ネットを張り、破れている部分は補修する。
(2)りんごのわい化樹や幼木は、支柱のぐらつきや結束状況を点検し、ゆるんでいる場
合は補強する。
(3)ぶどうの垣根、なし棚、ハウス施設等は、支柱等で補強する。
(4)収穫適期に達した果実は、速やかに収穫する。降雨時に収穫する場合は、泥が付着
しないように注意する。
3 野菜・花き・畑作
(1)ほ場や施設周辺にある排水溝の点検や整備などの排水対策を行うほか、施設への雨
水流入を防ぐために土のうを設置する。
(2)ビニールハウスでは、倒壊したり被覆資材が飛散しないように施設の点検補修を行う
とともに、マイカ線や支柱などで補強する。
(3)ながいもなどの支柱は、倒れないように補強する。
(4)マルチ資材は、飛散しないように土等でしっかり固定する。
4 畜 産
(1)畜舎に雨水が流入した場合に備え、早めに除ふん作業を済ませ、紙袋の飼料などは
浸水しない場所に移動する。
(2)低地や排水の悪い飼料畑は、溝を設けるなどの排水対策を行う。
(3)ロールベールサイレージはストレッチフィルムの破損を防ぐため、シート等で覆う。
(4)畜舎等は、破損を防ぐため、支柱等で補強するとともに、シャッターや窓などを完
全に閉める。
5 農地・農林業用施設
(1)ため池は、貯水位が高い場合には放流して水位を十分に低下させておくとともに、
洪水吐、水門等を点検し、通水の阻害となる土砂、ゴミや流木等を除去する。
(2)水路は、水門が適正に閉じている、あるいは開いていることを確認し、通水の阻害
となる土砂、ゴミや流木等を除去する。
【事後対策】
1 共通の対策
(1)地盤が緩み崩壊の恐れがある農地・林地及び農道・林道並びに増水中の河川などに
は、絶対に近寄らないようにする。なお、異常を発見した場合は、速やかに市町村等
へ連絡する。
(2)浸水・冠水したほ場・園地では、明きょやポンプにより速やかに排水する。
(3)大雨の影響で土壌がぬかるんだ状態になっている場合は、転倒や車両の横滑りなど
が発生しやすいので、農作業事故防止に努める。
2 水 稲
(1)土砂が流入した場合は、速やかに取り除く。
(2)畦畔や用排水路が破損した場合は、速やかに補修する。
(3)倒伏した場合はできるだけ早く株起こしを行う。
3 りんご等果樹
(1)園地が冠水した場合は、できるだけ早く、果実や葉に付着したゴミを取り除き、泥を
清水で洗い落とす。また、有袋果は除袋してから、これらの管理を行う。
(2)倒伏した樹は、できるだけ早く起こして、支柱で支える。
(3)ぶどうの垣根、支柱等が倒れた場合は、速やかに補修する。
(4)果実を加工用に仕向ける場合は、農薬使用基準上の問題がないことを確認する。
4 野菜・花き・畑作
(1)ながいもで植溝が陥没したときには速やかに埋め戻す。
(2)ほ場やビニールハウスを点検し、被覆資材やパイプ等の損傷がある場合は速やかに
修復する。
(3)果菜類で浸水・冠水した場合には、泥を清水で洗い流し、マルチの裾を上げて、
株元を乾かし、浸水した果実は早急に取り除く。また、草勢の低下を防ぐため、摘果
で着果負担を軽減する。
(4)暴風や浸水・冠水等により損傷を受けた場合は、病気が蔓延しないよう、薬剤を散
布する。
(5)露地野菜において種子が流出したほ場は、再度は種を行う。
5 畜 産
(1)畜舎が浸水した場合は、家畜伝染病の発生を予防するため、消毒を徹底する。
(2)ロールベールサイレージのストレッチフィルムが破損した場合は、破損部分を速や
かに補修するとともに、できるだけ早く家畜に給与する。
(3)冠水等の被害を受けた飼料は、品質を見極め、十分注意して給与する。
6 農地・農林業用施設
(1)農地・林地・農林業用施設が被災した場合は、速やかに被災状況を市町村へ報告す
る。
(2)被災した農地・林地及び農林業用施設は、身の安全を確保した上で、被害が拡大し
ないようシートで被災箇所を覆う。