臨 時 農 業 生 産 情 報 (台風第18号に対する技術対策) 平成29年9月15日 青森県「攻めの農林水産業」推進本部 青森地方気象台によると、9月18日にかけて台風第18号が東北北部に接近し、青森県を通過する可能性が 高いことから、風雨による農作物等への悪影響が懸念されるので、今後の気象情報に注意し、次の事項に留意し て、農作物等の適正な管理に努めてください。 (事前対策) 1 共通の対策 地盤が緩み、崩壊の恐れがある農地・林地及び農道・林道並びに増水中の河川などには、絶対に近寄らないよ うにし、異常を発見した場合は、速やかに市町村等へ連絡する。 2 水稲 浸水・冠水被害防止のため、排水路の清掃や補修、畦畔の補強を行う。 3 畑作・野菜・花き (1)ほ場や施設周辺に排水溝を設けるなどの排水対策に努める。 (2)ビニールハウスやトンネルでは、倒壊したり被覆資材が飛散しないよう施設の点検補修を行うとともに、 マイカ線や支柱などで補強する。 (3)ながいもなどの支柱は、倒れないように補強する。 4 りんご等果樹 (1)防風ネットを張り、破れている部分は補修する。 (2)りんごのわい化樹や幼木は、倒木しやすいので、支柱のぐらつきや主幹との結束状況を点検し、補強す る。 (3)ぶどうの垣根、なし棚、ハウス施設等は、点検し、支柱等で補強する。 5 畜産 (1)低地や排水の悪い飼料畑は、排水溝を設けるなどの対策を行う。 (2)ロールベールサイレージはストレッチフィルムの破損を防ぐため、シート等で覆う。 (3)畜舎等は、破損を防ぐため、支柱等で補強するとともに、シャッターや窓などを完全に閉める。 6 農地・農業用施設 (1)ため池は、貯水位が高い場合には放流して水位を十分に低下させておくとともに、洪水吐、水門等を点検 し、通水の阻害となる土砂、ゴミや流木等の除去に努める。 (2)水路は、水門が適正に閉じているあるいは開いていることを確認し、通水の阻害となる土砂、ゴミや流木 等の除去に努める。 (事後対策) 1 共通の対策 浸水や冠水したほ場・園地では、明きょやポンプにより速やかに排水する。 2 水稲 (1)土砂が流入した場合は、速やかに取り除く。 (2)畦畔や用排水路が破損した場合は、速やかに補修する。 (3)倒伏した場合は、できるだけ早く株おこしを行う。 (4)潮風害を受けた場合は、直ちに散水して、稲に付着した塩分を洗い流す。 3 畑作・野菜・花き (1)ながいも等の支柱が倒れたり、穴落ちしている場合は、速やかに修復する。 (2)果菜類で冠水等した場合には、草勢の低下を防ぐため、摘果や早採りで着果負担を軽減する。 (3)強風や冠水等により損傷を受けた場合は、病害の発生が懸念されるため、薬剤による防除を徹底する。 4 りんご等果樹 (1)園地が冠水した場合は、できるだけ早く、果実や葉に付着したゴミを取り除き、泥を清水で洗い落とす。 また、有袋果は除袋してから、これらの管理を行う。 (2)樹が倒伏した場合は、できるだけ早く起こし、支柱で支える。 (3)ぶどう等の垣根、支柱等が倒れた場合は、速やかに補修する。 (4)水に浸かった果実は区別して収穫する。傷ついたり、腐敗した果実は、速やかに取り除く。 (5)落下した果実を加工用に仕向ける場合は、農薬使用上の問題がないことを確認する。 5 畜産 (1)畜舎が浸水・冠水した場合は、家畜伝染病の発生を予防するため、消毒を徹底する。 (2)ロールベールサイレージのストレッチフィルムが破損した場合は、破損部分を速やかに補修するととも に、できるだけ早く家畜に給与する。 (3)冠水等の被害を受けた飼料は、品質を見極め、十分注意して給与する。 (4)倒伏したサイレージ用とうもろこしで、今後の回復が見込めない場合は速やかに収穫・調製する。 6 農地・農業用施設 (1)農地・林地・農林業用施設が被災した場合は、速やかに被災状況を市町村へ報告する。 (2)被災した農地・林地及び農林業用施設は、身の安全を確保した上で、シートで被災箇所を覆うなど、被害 が拡大しないよう努める。
290915臨時農業生産情報(台風第18号に対する技術対策).pdf (182KB)