都会の異業種から新規農業参入を試みて

株式会社 農学館
トマト&トマトジュースの詰合わせ出荷
トマト&トマトジュースの詰合わせ出荷

会社概要

会社名 株式会社 農学館
所在地 青森県上北郡六戸町大字下吉田字沼田111-1
設立 平成23年10月14日(六戸町認定農業者)
従業員数 2名(うち農業従業者2名)
経営面積 4.8ha
営農作物 米、トマト、にんにく、葉物野菜、根菜類、トマトジュース、自社作物利用の惣菜など
農業開始時期 平成24年3月

農業参入に至った経緯・動機

当社(農学館)の起業に乗り出した親会社は、法律を中心とした国家資格の取得(行政官、公務員も含む)を目指す学生、社会人、主婦などあらゆる方々を対象に関東近郊で受験指導と夢の実現を支援してきた会社です。

長年にわたり、そういった方々の自己実現の要求をサポートし、人々の生活を支える優秀な人材を育成することで社会に貢献してまいりましたが、他方で、人々の生命を支える最も基本的な産業である第一次産業の分野においても、人材育成の支援ができないかと考えるようになったことで農業への関心が高まり、機会に恵まれ、青森県六戸町において農業を開始することとなりました。

農業参入することを決めてから営農開始まで

農地の確保や作物の決定等は、社内の話し合いで決定してきましたが、農地を借りる際に、相続手続きをしていなかったケースがあり、その場合、相続人が多数存在し、さらに、県外各地に居住していることが多く、合意を得るのに苦労しました。

また、国の耕作放棄地再生利用緊急対策交付金を活用しましたが、耕作放棄地は、一般的には日照の問題や耕作に適さない場合等が多いので、放棄地の整備に当たって補助金等の活用を積極的にアドバイスしてくれる機関があれば、新規参入者側はもちろん、放棄地所有者にとっても非常に有用であると思います。

営農開始から現在まで

営農開始以来、主たる作物であるトマト(中玉トマト・3種類~5種類)は有機肥料のみを使用し、農薬を使用しない栽培方法にこだわって育てています。出荷は市場、産直、直販などで、お客様からも大変美味しいとのありがたい評価を頂戴しております。

トマトと並ぶ主力生産物であるニンニクも、栽培期間中は農薬を使用せず、有機肥料のみで育てています。当初はなかなかニンニクの成長が思うようには進まず、Sサイズが半数以上を占めましたが、近年はようやくMサイズ~Lサイズ中心となるようになってきました。また、3年前から開始した稲作も順調に栽培面積を拡張し、現在約2.5町歩、今後も拡張する予定でいます。

生産したトマトを無駄なく活用するため始めたトマトジュースは、県内外の産直や地元六戸町のふるさと納税返礼品にも使っていただいており、幸いにも大変好評です。栽培技術に関しては、地域の先輩農家の方々や種苗業者などからアドバイスをいただきながら、本やインターネット等の情報も利用しながら試行錯誤して対処してきた結果、少しずつではありますが、独自のノウハウも持てるようになりました。

そんな中で、青森県上北地域県民局地域農林水産部主催の次世代野菜塾のセミナーに参加して、幅広い分野での農業関連基礎知識を学ぶことができたことは、基本に戻って物事を考える必要が生じた時などに大変役に立っています。
地域とのつながりでは、地元の諸行事への参加など、地域の活性化のためにできることに積極的に参加するように心掛けています。

カラフルトマト
カラフルトマト
トマトジュース
トマトジュース

今後の農業経営の展開方向

設立以来10年以上が経過して、ようやく農業法人らしくなってまいりました。
ここ数年間SDG`Sやフードロスなどに配慮した営農を心掛けてまいりましたが、今後はさらに、地元六戸町や近隣市町村の若手人材をリクルートして、若い人たちが弊社内にとどまらず、独立して農業を営むことができるように人材育成のお手伝いができればと考えております。

今後農業に参入しようとしている法人へのアドバイス

とにかくアドバイザーやコンサル等の他人任せにしないことが大切だと思います。
また、県や市町村の農政課などへ出向くことも必要です。自分の足で歩き、目で確かめて農地を探す。地元の人達とも普段着のままで交流を始めていく。「ゆっくり急げ」だと思います。

稲刈り作業の様子

お問い合わせ
(企業の農業参入関係)

青森県 農林水産部 構造政策課 
農地活用促進グループ
〒030-8570 青森市長島1丁目1-1
(代)017-722-1111 内線 5055 
(直)017-734-9462

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