株式会社中里青果五戸町
- 経営概要(栽培品目)
- ながいも、だいこん、ごぼう
青森県五戸町で主に県特産のながいもの栽培・加工・販売まで一貫して行っている株式会社中里青果。東京都出身で農業とは縁のないところから五戸町にIターン就農した佐々木仁さんにお話を伺いました。
会社概要
会社名 | 株式会社中里青果 |
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代表取締役 | 中里 孝生 |
所在地 | 〒039-1501 青森県三戸郡五戸町上市川赤川々原106-2 |
創業 | 昭和45年4月1日 |
設立日 | 平成2年2月1日 |
連絡先 | TEL:0178-61-5100 |
事業内容 | ・ながいも加工食品の製造販売 ・ながいも栽培、各地市場卸 |
株式会社中里青果HP | https://imonouta.jp/ |
プロフィール
佐々木 仁さん(生産部)
2018年9月に東京都から五戸町に移住し、個人農家の従業員として就農しました。2020年には株式会社中里青果に入社し、現在は生産部で栽培を中心とする業務を担当しています。
農業法人に就職した経緯
私は以前、東京でサラリーマンとして働いていました。上場企業の営業として、常に数字やノルマに追われ、肉体的にも精神的にもきつい日々を過ごしていたので、転職や何か違うことに挑戦してみたいという思いを抱いていました。
そんな時に、職場の五戸町出身の後輩から、「実家が農業を営んでおり、後を継ぐことになったが、人手が不足しているので一緒に農業をしないか」と誘いを受けました。
五戸町や青森県に行ったことがなかったため、振り返ると大きな決断でしたが、当時は転職したいという思いが強く、ちょうどよいタイミングでの誘いだったこともあり、特に不安を感じることなく、五戸町への移住と就農を決意しました。
そして、2018年9月に五戸町へ移住し、約2年半、後輩の農家を手伝った後、後輩と中里青果の専務が同級生だという縁もあり、2020年に中里青果に入社することに決めました。
他業種から農業に参入して感じた魅力、ギャップ、難しさなど
畑違いの分野から就農しましたが、農業が体を使う仕事であることは理解していたので、その点でのギャップは少なかったと思います。
営業の仕事は、業績や成果などを数字で評価されますが、農業は自分の行動がそのまま結果として目に見える、分かりやすい職種であると感じます。例えば、今日は草刈り作業をしていますが、終わった後の成果が一目瞭然で、やりがいや達成感が感じられ、この点は私に合っていると思います。
現在は生産部にいるため、消費者から自分が栽培した農作物についての声を直接聞く機会はないですが、出荷できなかった野菜を近所の知人に配って喜ばれた時は嬉しかったですし、農業の魅力的な側面だと感じています。
一方、収入面では、東京でのサラリーマン時代と比較して、収入が3分の1程度に減少しました。初期投資のない雇用就農とはいえ、東京と青森では収入に差が生じるので、就農する際、経済的な部分では貯えがあれば安心かなと思います。
また、農業自体とは直接関係ありませんが、この地域に移住した頃は、年配の方々が使う方言が理解しづらいことがありました。特に高齢の方の方言は、今でも完全に理解できないことが多く、深刻な問題ではありませんが、コミュニケーションのギャップも新たな環境での難しさの一つかもしれません。
1日の主なスケジュール
私の1日の勤務時間は、8時から17時までです。作業内容は季節に応じて異なり、作物の植え付けや収穫のほか、草刈りなどの管理作業を行います。これらの作業内容や役割分担は、社内で前日までに話し合って決めています。繁忙期には、時折残業や早出出勤が発生しますが、それでも1時間程度で、基本的には残業がほとんどありません。
また、休日が固定されているので、スケジュールを立てやすく働きやすい環境です。
会社の雰囲気
私が所属している生産部には男性4人の社員がいます。年齢はみんな40歳前後で、近い年齢であるため、特に気を遣うことなく、とても良い雰囲気の職場です。中には20年以上のベテランもおり、覚えることが多い現場の様々な作業について、何でも質問すれば親切に教えてくれるので、悩むことなく作業に取り組めます。また、必要な資格を取得するサポートも充実しています。
役割分担がある一方で、4人で協力してローテーションを組むこともでき、誰かが休んだり抜けたりしても、作業は滞らず、カバーできる体制です。このような協力体制が、仕事の効率を高めています。
農業就業体験ツアーへの参加を検討する人(雇用就農を検討する人)へのメッセージ
農業には、きつい、汚いといったネガティブなイメージがありますが、そこは変えられない部分でもあるので、自分がそれをどう捉えるか次第だと思っています。
例えば、農作業には体力が必要だと言われていますが、体験してみないと農作業がどれだけハードかは分かりませんし、自分に合っているかどうかも判断ができないと思うので、まずは実際に農作業を体験してみることをおすすめします。
また、現場で実際に働いている人たちの話を聞くことも重要です。経営者とは異なる視点と言うか、一緒に働く人の経験や意見を聞くことで、会社の雰囲気や、農業を仕事にすることをより理解できると思います。
中里専務からのメッセージ
怖がることなく、素直な気持ちで「やってみたい」と思った方はぜひ参加いただきたいです。現場で農業に触れてみることが何よりも大切です。決して特別な作業を経験させるわけではありませんが、農業は季節や天候に左右され、暑さや寒さに耐えることもあります。また、短期間ではなく、1シーズンを通じて経験することではじめて「農業の本質」を理解できると思います。ただし、作付けしたものを収穫することは農業の醍醐味でもあり、それだけでも良い経験となります。どうか一度体験してみてください。
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