金融機関の営業マンがハイテク酪農法人へ!
魅力は成果を日々体感できること。

掲載日:2025年3月27日

株式会社NAMIKIデーリィファーム

株式会社NAMIKIデーリィファーム野辺地町

経営概要(栽培品目)
生乳・仔牛
就農前の職業
金融機関営業

青森県野辺地町で酪農を手掛ける株式会社NAMIKIデーリィファーム。牛の肥育販売、たい肥の製造販売を手掛ける金子ファームの酪農部門を別会社化して2016年に設立された農業法人です。東北最大規模の生乳生産量を誇る同社は、牛の管理にITシステムや最新の設備を活用。そんな国内有数の大規模&ハイテクの酪農が行われている現場に異業種から飛び込んだ北林健さんにお話を伺いました。

会社概要

会社名 株式会社NAMIKIデーリィファーム
代表取締役 金子 吉行
所在地 〒039-3109 青森県野辺地町向田277-1
設立日 2016年5月10日
連絡先 TEL:0175-68-2653
事業内容 ・乳牛の飼育
・生乳販売
・仔牛販売
従業員数 85名
Webサイト(金子ファーム) https://www.kaneko-farm.jp/

プロフィール

北林 健 さん

北林 健 さん(総務部)

秋田県秋田市出身で前職は金融機関。青森県八戸市で営業担当として勤務していた際、取引先だったことがきっかけでNAMIKIデーリィファームへ2019年に転職。現在は農場の責任者として牛や従業員の管理業務を担当しています。

農業法人に就職した経緯

新卒で入社した政府系金融機関で営業職として、青森県八戸市に配属され、県南地方の事業者を担当していました。その取引先の一つが、NAMIKIデーリィファームの親会社である金子ファームでした。実は当時、私は酪農・畜産や農業には全く関心がなく、動物にも特に興味がありませんでした(今でも犬や猫は苦手なほどです(笑))。

株式会社NAMIKIデーリィファーム 北林健さん

転機は、金子ファームの和牛が全国肉用牛枝肉共励会で最高賞を受賞した際の祝賀会でした。そこで初めて口にした金子ファームの和牛の味に感動し、このような優れた食肉を生産する仕事に携わる人々が輝いて見えたのです。

金子ファームの事業展開にも興味を持ちました。同社は主に牛の肥育販売を手がけていましたが、酪農家の高齢化や後継者不足により、肥育用の仔牛の調達コストが上昇していました。
この課題に対応するために酪農部門を強化。乳牛(ホルスタイン種)から生まれる雄の仔牛や、和牛との交雑種(F1)を肉牛として育てることで、生産コストを小さくしました。この取組が発展し、2016年にNAMIKIデーリィファームとして法人化されました。
私が金子ファームの和牛に感銘を受けたのは、ちょうどこの法人化の前後でした。

就農を決意した背景には、前職が全国転勤のある会社だったことも影響しています。妻が八戸市出身ということで、青森から離れたくないという思いもあって、勤務5年のタイミングで就農を決意しました。

株式会社NAMIKIデーリィファーム 牛舎での様子

仕事の内容、経営の特徴、勤務環境について

就農当初は現場作業に従事していましたが、現在は農場責任者として、牛の健康状態やスタッフの作業、牛乳の品質など、農場全体の管理・調整を担当しています。
NAMIKIデーリィファームでは約4,300頭の牛を飼育し、1日に生産・出荷する生乳は約50トンで青森県全体の生産量の3割を占めます。牛の飼育には機械化やITシステムによる効率的な管理手法を導入し、牛にとってストレスが少なく、スタッフも働きやすい清潔な環境づくりを重視しています。

搾乳は朝6時半からと夜18時半からの2交代制で、各回4時間~4時間半ほどかかります。牛が牛舎から移動して搾乳し、また牛舎に戻る一連の行程がスムーズにできるよう心がけています。
スタッフの半数は外国人労働者(ベトナム、インドネシア)で20代が中心。対して日本人スタッフは40~50代のベテランが多く、男女比はほぼ半々となっています。

株式会社NAMIKIデーリィファーム ロータリーパーラー

仕事へのこだわり、気を付けていること

酪農では、毎日決まったリズムと時間で搾乳や給餌を行うことが理想です。しかし、生き物相手の仕事であり、時には機材の不調といったトラブルにも対応が必要となります。
当農場は多くのスタッフによる分業制で運営していますが、特に気を配っているのが搾乳作業。牛舎間の移動や牛舎の清掃、牛体の検査、搾乳など、それぞれの作業がうまく連動しなければ、牛が牛舎外で待たされストレスが掛かる状況になります。牛は暑さに弱いため、夏場は特に牛の待ち時間がなるべくないよう、搾乳や牛舎間の移動を円滑に進められるよう注意しています。

株式会社NAMIKIデーリィファーム 牛

牛乳の味は餌の質で決まります。その辺の草を食べさせても乳は出ますが、量は少なく、品質も良くありません。それなりの餌では、それなりの牛乳にしかなりませんが、県全体の3割を出荷する弊社がそのような牛乳を作ってしまえば、青森の牛乳の価値や評価が下がってしまいます。そのため牛に与える餌の量や品質にはこだわっています。
第一にしているのは「良いものを作りたい」という、創業者から引き継がれてきた思いです。生乳の品質はさまざまな指標で評価され、買取価格が決まりますが、その中で弊社がこだわっているのは乳脂肪分。3.2%が出荷基準とされているところを、常に3.7%以上とするように努めています。

就農して感じた魅力

株式会社NAMIKIデーリィファーム インタビューの様子

酪農は、日々の努力の成果が目に見える形で現れやすい産業だと思います。例えば畜産では仔牛が生まれてから食肉になるまで2~3年掛かり、その間の管理の善し悪しは出荷する時まで判断できません。成果物が得られるまでわからないという点で、農業も同様でしょう。

一方で酪農は、毎日搾り出す牛乳から、あるいは生まれてくる仔牛の状態から、タイムリーに自分たちのやったことの成果がわかります。乳量が増えてきたり、妊娠する牛が増えたり、仔牛が順調に大きくなっていけば、良い管理ができていると実感でき、嬉しく思います。

先輩方は「牛は正直な生き物」とよく言うのですが、経験豊富な酪農家であれば、牛を一目見ただけで飼育の善し悪しが判断できるんです。

一日のスケジュール

一般的な搾乳担当者の場合
(※業務によってスケジュールは異なります)

株式会社NAMIKIデーリィファーム 一日のスケジュール

年間の作業スケジュール

4月 5月 6月 7月 8月 9月
圃場への肥料散布 牧草・デントコーン収穫
デントコーン播種 生乳・仔牛管理
10月 11月 12月 1月 2月 3月
生乳・仔牛管理

夏場・冬場の仕事内容について

畜産業の為、農繁期、閑散期はなく通年業務があります。但し、牧草、デントコーンを自社生産しているので、飼料用作物班は春~秋にかけては畑仕事もあります。

これから就農を検討している人へのメッセージ

私自身、酪農の経験は全くなく、当初から強い興味があったわけでもありませんでした。しかし、何かのきっかけで挑戦してみると、日々新しい知識や経験が積み重なっていき、できることやわかることが増えていく過程がとても楽しいものでした。
弊社では、実は経験者や農業関連の教育機関を卒業したスタッフはほとんどいません。そのため、就農に対して必要以上にハードルの高さを感じてほしくないと思います。確かに酪農は突き詰めていけば奥の深い仕事ですが、一つ一つの作業自体はそれほど高度なものではありません。

大切なのは興味を持って向き合う姿勢です。そうすれば、必ず親身になって教えてくれる人が現れます。また、良いものを作れば、それを正当に評価してくれる人も必ずいます。実際、期待してくれている方々の喜びの声や応援の言葉を聞くことは、この仕事の大きなやりがいの一つとなっています。

株式会社NAMIKIデーリィファーム 北林さんインタビューの様子

雇用就農で役立つ免許や資格について

大型自動車運転免許、大型特殊自動車運転免許、けん引免許、車両系建設機械運転技能講習、フォークリフト運転技能講習、家畜人工授精師などが役立ちます。社内では資格取得支援制度もあります。

人事部部長の姫野さんからのメッセージ
今後、様々な観点からみて農業という食べ物を生み出す仕事の価値は今まで以上に高くなると考えています。固定概念にとらわれず、試行錯誤しながら新しい農業経営をともに築いていきましょう。まずは農場を見てみたいという方、大歓迎です。見学・体験など気軽にお問い合わせください。

株式会社NAMIKIデーリィファーム 北林さん 姫野さん
北林さん(左)と姫野さん

雇用就農に関する詳しい情報はこちらをご覧ください

雇用就農

先輩インタビュー

株式会社NAMIKIデーリィファーム
雇用就農
株式会社NAMIKIデーリィファーム
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代表取締役 斎藤 靖彦さん
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お問い合わせ

青森県 農林水産部 構造政策課 
担い手育成グループ
〒030-8570 青森市長島1丁目1-1
(代)017-722-1111 内線 5059 
(直)017-734-9463

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